この記事を書いた人
桑田かつみ 専務取締役
1970年生まれ。結婚を機に帰省し、メーカーへ入社。平社員で入社して9年で取締役(平→課長→次長→部長→常務→専務)/激動の時代を生き抜く、人としての器を広げるための情報をXで発信中!/成功論/リーダー論/心のスキルアップ/コミュニケーション術/趣味:ピアノ・筋トレ・サウナ・愛犬ヾ(・ω・*)なでなで
聴くスキルの必要性
聴くスキルは相当な労力を要する行為で仕事上で最も必要なスキルです。
なぜなら、上司が部下の心を汲み取り、その成長をサポートすることや、
営業マンが顧客の本音を引き出すことなどが成果に直結するためです。
『答えは相手が持っている』というのがコーチングの前提です。
聴くスキルを高めるための方法
①傾聴
相手のペースに合わせて、話を否定しないで、
相づち、うなずき、を繰り返し、最後まで真剣な態度で聴きましょう。
どんな話でも、一生懸命に聞くと、相手の気持ちを高揚させて、
話し手の口を滑らかにします。
『辛いんです』と相手が言ったら
『ああ、辛かったんだね~』と返すなど、
過去形に置き換えるのもテクニックの1つです。
辛いと感じている自分を客体化し、心理的な距離を置く効果があります。
②質問
非対面でのオンラインコミュニケーションでは、
的確な質問をして、相手から確実に情報を引き出すことができるかどうかが、
対面コミュニケーションよりも重要です。
部下から本音や悩みを聞き出して、部下育成に結びつけることが、
上司にとって大切な仕事です。
相手の立場にたって答えやすい質問から始めましょう。
ただし、自分が聞きやすい質問からしてしまわないように注意してください。
『なぜ』『どうして』から始まる質問は相手に対して詰問である場合が多く、
単に相手を黙らせ、自分が心理的優位に立とうとしているに過ぎません。
これでは、相手から自己を正当化する弁解や謝罪しか返ってこず、
前向きな解決策は生まれません。
未来に向かって『どうしたら』を問い、今度どうすべきかを一緒に考え、
相手に負担をかけず、前向きな行動に繋げることが
上司としての努めであり良い質問の仕方です。
また、質問は情報を得るためだけのものではなく、
質問によって、交渉を有利に進めたり、
人を動かしたりすることもできる仕事において大切な力です。
質問力は、一歩ずつしか身に付かないものですので、
試行錯誤を繰り返しながら、『良い質問をしたい』と意識し続けることが、
質問力を向上させる唯一の方法です。
③承認
・相手をよく観察して事実を褒めましょう。
『頑張ったね』と漠然とほめるよりも細かい事実をほめた方が良いです。
人間は細かい長所や細かい進歩を褒められると
この上司はちゃんと私のことを見てくれているという信頼感や安心感を抱きます。
・タイミングよく褒めましょう。
『以前の企画良かったよ』といわれてもピンときません。
その場ですぐ褒めることが大切です。
・心を込めましょう。
口先だけでほめ言葉を並べても相手には伝わりません。
気持ちを乗せて言葉を発する練習が必要です。
こんな人は質問力がある!
良い質問は、相手との間に良い空気とコミュニケーションを作ります。
結果、相手を動かし、成果を出すプロセスにつながります。
下記のようなタイプの人が質問力が高い傾向にあります。
①人の話をきちんと聴く人
成績の良いセールスパーソンは、自分ではあまり話さないことが多いです。
会話全体の6~7割を顧客に話させることで、必要な情報を収集していきます。
質問力を高めたいビジネスパーソンは、
どんな質問をすれば良いかと頭を悩ます前に、
まずは、目の前の相手の話を徹底的に聴くことに努めましょう。
このスキルを身に付けるためには、
実際に時計を見ながら、会話の大半を聞き役に回ってみることを推奨します。
じっくり話を聞き、1つ2つ質問を挟むだけで、
相手が喜んで話し続けることが分かるはずです。
②世話話から情報を得る人
単刀直入に尋ねるのが、はばかれる話題であれば、
世間話から欲しい情報を掴むのが良いです。
例えば、顧客の過程で誰が購入決定権を
持っているか知りたい時は、- 家族で外食する時はどんなものを食べるか
- 誰の意見が重んじられているか
会話の中から、自然と重要な情報が得られるようになれば、
取引先など社外の人にも応用できます。
③物語を聴く力のある人
相手が話したことの真意をうまく汲み取ることが出来る人、
つまり、発言の背景にある物語を聴く力のある人は、質問力も高いです。
例えば、
『寒くなったね』という発言を文字通り捉え、
『そうだね』と答える人もいれば、
『エアコン入れようか?』と返す人もいます。
当然、後者の方が、物語を聴く力が高いです。
このスキルを身に付けるには
友人や家族を相手に練習してみるのがおススメです。
一見、ただの雑談に思えても、もっと話を聴いてほしいといった
メッセージが込められていることに気づくかもしれません。
④場の空気を読むのがうまい人
相手が発している雰囲気から、その日の気分を感じ取るのがうまい人。
つまり、場の空気を読むのがうまい人は質問力もあります。
例えば、優秀なソムリエは、客の体調や気分を察して、
その時に一番合ったワインを出します。
これは空気を読む能力に長けているからこそ可能な技です。
社内会議の折に
- 聴き役に徹する
- 積極的に発言する
- 人の意見をフォローしてあげる
質問力を高める5つのテクニック
①準備を完璧にしよう
質問を考える前に、まずは相手のことをよく知ることが大事です。
書籍や新聞、雑誌の記事、WEB情報、勤務先の財務諸表などの公開情報で、
出来る限りのことを把握しましょう。
さらに、相手の知人、友人を訪ねたり、相手の会社のことを知る同僚に話を聞くなどして、周辺情報まで調べるとなおベストです。
②仮説を立てよう
質問する時は、ただ漠然とするのではなく、
自分が立てた仮説を検証するように心がけましょう。
収集した情報を元に、テーマについて
自分なりに考えて仮説を立ててみましょう。
③質問ツリーを作ろう
仮説を立てる際は、ロジックツリーを活用します。
例えば、若手社員の離職率が高く、悩んでいる会社があった場合、
最初のボックスに、
- 若手社員の定着率が低い原因とは?
- 企業のビジョンは現状のままで良いか?
- 上司の働き方をどう変えれば良いか?
- 人事システムのどこを変えるべきか?
④その場の空気を読もう
いざ、質問する時になったら、仮説や質問ツリーに固執せず、
相手の様子をよく観察して、その場の空気を読むのが大切です。
心を開いて質問に答える準備ができておらず、
あまり話をしたくない状況であれば、
仮説や質問ツリーは脇に置いておいて、
まずは、自分に対して心を開いてもらうことが必要になります。
その場の空気を優先して、話し方や質問の切り込み方を変えていきましょう。
⑤相づちとうなづきを活用しよう
相手が自分の話をよく理解してくれていると、
さらに深いところまで話したくなるものです。
また、相手が関心を示せば、
その点についてさらに突っ込んで話をしたいと思うものです。関心を示す相づちとうなずきを活用すれば、
話をうまく引き出すことが出来ます。
論理的に話す相手であれば、
意味の区切りで、話の区切りが分かりにくい場合でも、
30秒~1分に1回ぐらいの割合でうなずく方が良いです。
相づちを打ちすぎるのは、適当にあしらわれていると思われるため、
何にでもうなずくのではなく、きちんと聞いていますという
意思表示を示すように心がけましょう。
人生は変えられる!
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